ベルト問題がクローズアップされている中で行われた、昨日の旗揚げ記念日でのタイトルマッチ。試合内容は、ライガーさんが解説で言っていたように飯伏の横綱相撲で勝利した印象を受けました。
足攻めで飯伏の打撃力や機動力を封じようとするデスペラードでしたが、蹴りのパワーは衰えず。もっと狡猾さを見せても良かったと思いましたが、金丸やタイチのセコンド業務に徹した真摯な姿勢も含めて、良い意味で鈴木軍らしくなく、両者ガッチリ握手の爽やかな幕引きを迎えることとなりました。
歯切れの悪い印象の飯伏
コロナ禍で無かったら大ブーイングが行われたであろう日本武道館。飯伏への拍手よりもデスペラードの拍手の方が終始上回っていたように思います。判官贔屓と言うことを差し置いても、飯伏を応援できない層がいることを感じます。
マイクアピールでも神と言う言葉を使わなくなり、「僕は決して裏切らない!」を強調するように聞こえる。
そしてバックステージコメントも、充実した試合を繰り広げたチャンピオンのコメントと言うよりも、釈明会見をしているようにたどたどしい飯伏。「自分はブレていない」と言うことだけはブラさないようにしようとしているように見え、一層のチグハグさを感じる。
なぜ統一なのか?
真相はもちろん分からないが、過去にあったコメントから推測してみたい。
「タナ、それはビジネスだからだよ」
ベルトの封印はもちろん、慣れ親しんだ選手の入場曲が変わるのはファンにとってはキツいタイミング。入場した時だけでなく勝利した時にも流れるあの曲は、試合そのものの思い出だけでなく、その試合を見ていた時の自身の感動や、それによって困難に立ち向かうことができた個人的な記憶すら呼び覚ます。それが変わった時は、あたかも自分の思い出までもが否定されたような錯覚に陥る。

冒頭のセリフは、武藤敬司が「HOLD OUT」から「TRIUMPH」にテーマ曲を変えた時に、当時付き人であった棚橋弘至が武藤に質問した時の回答と言われている。
分かったような、分からないような大人の回答。
確かに新しい曲が増えれば、その曲も売れるかもしれない。曲が変わればコスチュームも代わり、Tシャツも変わるだろう。でもそんなものははした金でしょう。納得行くようで納得行かない。自分は今でもHOLD OUTが武藤の曲だと思っている。
オールドファンが団体を潰す
ブシロード体制になってからか、ユークスの時代だったかは忘れましたが、エンタメ業界では概ね常識として捉えられているこの考え方を、会長がこういう主旨の発言していた記憶があります。
「オールドファンは放っておいても、一度掴めば着いてくる。だが団体が成長するには新規参入ファンを増やすことが必要不可欠。しかし、色々と口うるさいオールドファンが新規参入のファンをうんざりさせ、結果的にその参入を阻む。だから定期的に体制を破壊する必要がある。」
自分はこういう主旨だと理解しています。オールド中のオールドのNJPWphileとしては耳の痛い話ですが…。
だとすれば、ベルト統一は飯伏の意思と言うよりも会社としての方針と考える方が自然と思います。
元々、難解なコメントが多かった飯伏ではありますが、チグハグな発言を繰り返す理由もそこにあると思っています。
インターコンチベルトの役割の終焉
ベルト統一と言うと聞こえは良いけど、その実はインターコンチはベルトの役割を終えたと会社が考えたことの方が大きいと思います。
元々新日本プロレスがアメリカ自主興行を行うに当たって創設されたベルト。初代チャンピオンは今となっては多くの人が知らないMVP。
それが中邑の手に渡りベルトに新しい価値を吹き込む。内藤が破壊する。棚橋や鈴木みのるがそこに絡んでくる。
だが、創設されて10年経ったこのベルト。会社として、これがちょうど節目になったと考えても不思議は無い。USヘビーのベルトが既に当初の目的を担っている。
しかし、どうして飯伏なのか?
長くなってきたので(笑)、次のページに続きます。
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