誰も宣言しないが事実上、第二波が広がっているコロナ禍において全世界の人たちがそれぞれの想いや立場、それぞれのやり方で頑張っている。
そんな中、6.15に遂に無観客試合ながらも復活した新日本プロレス。楽しみにしていた人も多かったと思う。自分もその一人だ。プロレスの持つネバーギブアップの精神、倒れても倒れても立ち上がる力に、余りあるパワーをもらって、また現実のコロナとの戦いに挑んでいく。
IWGPヘビー級チャンピオンとして、会場に来てくれたお客さん、試合を観ている全世界のファンに対して、自分のプロレスが最高だと胸を張って伝えることができるのか?とEVILには聞いてみたい。
会場のお客さんの答えは決まっているでしょう。ディック東郷の乱入後のダークネスフォールズが決まった後、EVILが決まった後、そして3カウントが入った後の不気味なまでの静寂。
その前の鷹木vsデスペラード戦の大拍手が感動的だったことから、コロナ対策による応援の仕方やお客さんの質とは全くの無関係なことは明らかだ。
大災害時におけるプロレスラーの所作
熊本大震災の2年後のインターコンチ戦では30分以上の死闘の末、内藤が勝利。「一歩踏み出す勇気」と言う言葉を熊本の皆さんに贈った。
東日本大震災の時には、棚橋がメインイベントの試合後、仙台に向けてエールを贈った。そして、翌年2012年2.19 東日本大震災復興支援チャリティープロレスが開催された。
そして、鈴木みのるは東日本大震災直後のNOAHでの試合でこんな魂からの叫びを上げている。
この鈴木みのるのマイクを聞いたら、プロレスラーがどんな想いでカラダ張ってるのか?が身に染みて伝わって来ます。
5秒以内なら何やってもいい?
ルール上はもちろんそうなっているが、プロレスラーとしての矜恃としては違う。
例えば、鈴木軍の反則は試合を壊すほどのことは余り無い。特にこの前の試合のデスペラードが見せた反則(パイプ椅子で殴ると見せかけて、リングに放り投げ、その隙にベルトで殴る)については、思わずライガーさんも「上手い!」と言ってしまった。もちろんこれで試合が決まった訳でも無い。
また、チャレンジャーとしての「必然性」があれば、反則が認められることもあるでしょう。「何が何でも勝ちたい!」と言う思いの上での反則であれば、それはそれ相応の覚悟の現れと思えるが、チャンピオンになっても続けるのであれば、それはエゴでしか無い。
好きの反対は無関心
EVILが勝った後の次の挑戦者を以前、予想していました。
しかし、結果は内藤のリマッチ。内藤自身はリマッチを嫌っており、飯伏とのインターコンチ戦リマッチの時も、「他に挑戦者がいない」ことを確認した上で行っていましたが、今回はそうした動きや余裕綽綽の雰囲気もなし。近年では見ることの無い鬼気迫る眼光で一直線にEVILに向かっていく。
他にも候補がいるはずなのに、誰も相手をしてくれなかったのか?師匠として道を外しすぎた弟子を思う一心だったのか?正直ポジティブな考えが浮かばない。このEVILに絡むのは損だと、誰しもが思っているのか?
以前にジェイ・ホワイトが裏切りを起こした時には、全包囲網が作られ、棚橋とオカダの奇跡の合体も生まれた。今回はどんな奇跡が起きるかと予想したが、その動きもどうやら皆無のようだ。
そして、極め付けはオカダのバックステージコメント。
(前略)次のIWGPの挑戦は…するわけねえだろ、この野郎。(中略)かわいそうだね、IWGPヘビーが。そんなもんに興味はなくなったんで、1個、面白いことやろうかなと。アイデアは出てきてるんで。(後略)
(出典:新日本プロレス公式サイト)
このコメントを聞いたら、二冠戦よりもオカダの提唱する何かの方がスゴく気になるし、ワクワクしている自分がいます。おそらく団体の垣根を越えたオールスター戦をイメージしていることと思います。
一夜限りのエキシビジョンマッチとなるのか?トーナメント戦となるのか?G1に外人レスラーが来れないとなると、以前にNOAHの丸藤らが参加したように他団体からの参加もありでしょう。
その間の二冠はロスインゴ内で適当にやっておいて、となってしまうのか?特にロスインゴ創設時やヤングライオンの時からEVILを見ていたファンからしたら複雑な思いで一杯のことと思います。何も腑に落ちない。

EVILが自分で気づくのか?内藤が元の世界に戻すのか?いずれにしても、神宮と言わず早く決着をつけて欲しいです。