遂にと言うか、いよいよと言うかこの方の登場です。エピソードがあり過ぎるし、語ると消される(嘘)と言う逸話もある逸材ですが、やはり柴田とのやり取りが一番泣けます。
柴田と棚橋
「柴田選手って誰?」と言う方は、前のエントリー↓をご覧ください。
柴田は大学入学が決まっていたにも関わらず、高校を卒業してすぐに新日本入り。棚橋は大学卒業後に新日本入団です。年齢は棚橋の方が上ですが、キャリアは柴田の方が先輩です。
新闘魂三銃士として会社から売り出されようとしていた棚橋と柴田でしたが、柴田は新日本プロレスを退団して総合格闘技へ。新日本プロレス暗黒期に棚橋が新日本プロレスを支えて来たことは、最近のファンの方でもご存知とは思います。いかに棚橋が苦労してきたか、と言うエピソードはまた次の機会に…。
その後、2012年に「ケンカ売りに来ました!」と帰ってきた柴田に、各レスラーの反応は厳しいものでした。
再会
2013年8.11 G1で遂に対戦。勝った方が決勝戦進出と言う大事な一戦。興味のある方は、ぜひワールドで見て頂ければと思います。私はこの時の棚橋入場シーンの前口上で何度でも泣けます。
ただ試合に関しては、この時はまだお互いの意地と意地とのぶつかり合いと言う感じでした。兄弟喧嘩と言うべきか。棚橋の張り手が後藤の顎を砕いて長期欠場となった後でもあるので、柴田の“牛殺し”等の後藤オマージュのムーブが目立ちました。サッカーのゴン中山のゲスト解説も懐かしい。昔よくありましたけど、最近は無いのが残念です。
棚橋のバックヤードコメントの一部をご紹介します。
あ〜…。なんかさ、昨日、「プロレスがおもしろくなってきた」って言ったんでしょ?よかったじゃん?どの口が言ってるのか知らないけどさ…。寝言は寝て言えっつーんだ、コラァ!!」
新日本プロレス公式サイト
7年振りの試合と言うのに、このコメント。外敵と言う形で帰ってきたので仕方ないところもありますが、全く許していない感じですね。
第二ラウンド
次の試合は翌年の2014年7.26、再びG1です。柴田は、新闘魂三銃士のもう一人であった中邑を開幕戦で破っての棚橋戦。この試合の前口上も素晴らしい。そして入場時には柴田を半ばシカトするような形で、全く目を合わせない棚橋。

前回の試合よりも激しい二人の攻防。柴田がなぜ新日本を辞めたのか、棚橋がなぜ残ったのか、その実況をバックにした渾身のエルボー合戦が、お互いのストロングスタイルを物語る。試合後に二人のバックヤードコメントが入っていますので、こちらも含めてぜひ見てください。次の感動が深まります。
さて、勝負は1勝1敗のイーブンで、次の展開を迎えます。
雪解け
2014年9.21 DESTRUCTION in KOBE。スペシャルシングルマッチとして開催されたこの試合。棚橋はやはり、柴田と目を合わせようとはしません。公式戦でもタイトルマッチでも無い試合にも関わらず、お互いが理解し合うかのような迫力のある試合。最後は遂にハイフライフローで棚橋の勝利!

そして白熱の試合のあとに、リング中央に相対峙する両雄。
喋りにくかったのか、マウスピースを外す柴田。大事なことを話したかったのでしょう。このシーンが好きです。

割と長く話していた二人。そして突然泣き出す棚橋。何が話されていたのかは当事者しか分かりません。ただ、バックヤードコメントで一部紹介された言葉がありました。
柴田「新日本プロレスを守ってくれてありがとう」
棚橋「おかえりなさい」
勝ち名乗りを受けて、花道を引き上げる棚橋。いつもよりテンション高めにファンサービスをしているように見えましたが、花道を引き上げる直前のこのポーズ。

これはファンサービスとしてでは無く、10年近くもの間、心の中でつかえていたものが取れた瞬間の喜びだったのだと思いました。
Never Ending Story
これで二人のストーリーが終わりで無いことは、皆さんご存知のことだと思います。

ここまでの流れを見返して、改めてこの2018年G1決勝の入場シーンを見ると、いつも以上の気合と既に涙目になっている棚橋選手をご覧頂けると思います。全く予期していなかったこのシーン。優勝の感動と相まって号泣通り越して嗚咽しました。なぜこのシーンが感動なのか?は対戦相手である飯伏とのストーリーもあるのですが、この柴田との流れの中でも十分に分かって頂けると思います。(そちらのストーリーはまた改めて…)
さて、早速バラしてしまうのですが(笑)、自分にとって「三大嗚咽試合」があります。一つ目がこの試合。二つ目は昨年行われた獣神サンダー・ライガー vs 鈴木みのる戦。三つ目はまだ見ていませんが、既に予約済みです。
いつか必ず近いうちに行われることを信じています。