今回、同一会場で行われた各ブロックの初日。Aブロックが1,963人、Bブロックが2,188人。大阪近辺のお客さんの支持はBブロックと言えるのでしょうかね。もちろん各々の選手の人気と言うこともあるのでしょうけど、やはり棚橋 vs オカダ、かつての黄金カードを支持する人が多かったとも言えるでしょう。
ヤングライオンはまだまだ成長途中
場外戦を経験しながら頑張りましたが、解説席でライガーさんも言っていたように、テンポ良く攻めていかないといけないですね。
また、大岩にとっては藤田は同期でしょうけど、この年齢で4年も離れていると年の少し離れた兄弟みたいなものでしょう。弟がけちょんけちょんにやられている姿を見て、SHOにケンカを売りに行くくらいの気迫が欲しかったですが、その辺りも含めてまだまだ成長途中ですね。これからが楽しみです。
EVILに変化が!?
金的からの勝利のパターンは変わらずですが…。
試合の流れとしては、以前のEVILのように受けもきちんと取って、「YOSHI-HASHIがもう少しで勝てるのでは?」と思わせておいてからの逆転劇。ディック東郷との連係も、昨年のG1に比べたら上手く取れてきたように思います。
ジェイがいない中で、ヒールの頂点としてG1を暗躍していくのか?それともAブロックにおける矢野のように、勝ち星調整担当となるのか?いずれにしてもBブロックをかき回していくEVILにも注目ですね。
やはり無双は健在
チェーズ・オーエンズもシングルでは少し戦い方を変えてきており、初出場とは思えない落ち着いた試合を見せてくれましたが、やはりジェフ・コブがすごかった。
オーエンズが最年少と言うのも面白いですけどね(笑)。全然若さが無いのが良くも悪くもオーエンズ。
ジェフ・コブのこの勢いを誰が止めることになるのか?しばらくはジェフ・コブの独走が続きそうです。
タマ・トンガも進化を見せた
邪道による妨害もありましたが、それがあまり印象に残らないくらいタマ・トンガは真っ直ぐなプロレスを見せてくれていたと思います。
身体能力お化けの外人レスラーには丸め込みが有効ということなのでしょう。オコーナーブリッジが肉厚的にジェフ・コブにかかるのか?と言うところはありますが、ジェフ・コブ攻略の糸口にはなったかもしれません。
さて、ここでSANADAが負けて、目立たないように2位集団を追走していくのがNJPWphileの予想でしたが、早々に外しましたね(笑)。Aブロック同様に混戦となっていくのでしょうか。
想定通りの激闘
後藤 vs タイチはある意味予想通りの好勝負でした。
ただ、お互い想定を超えるような戦いでは無かったように思います。それだけでも本来はスゴいことなのですが、G1に合わせてさらに進化を遂げている選手が多い中では、期待を上回ると言うことが無いだけでも停滞しているとなってしまう。それがG1の厳しさとも言えると思いますが。
それでも、バックステージのタイチのコメントにはグッとくるものがありましたね。
同期想いで仲間想いのタイチは健在でしたね。同じヒールユニットでもおそらく敵と認識されているであろうEVILとはどんな戦いを見せていくのか?別ユニットにも関わらず、全日本繋がりで思い入れもあるであろうSANADAとはどんなストーリーが生まれていくのか?今後が楽しみです。
オカダの復活は本物か!?
自分のようなオールドファンにとっては、オカダのレインメーカーポーズなどの一連のムーブが懐かしく、久しぶりに燃えたぎるものがありましたね。
残り3分を切ったところからのエルボー合戦を見た時には、引き分けになるだろうと思っていたし、ハイフライフロー2連発の時間は無いから棚橋の勝ちは無いなぁ、と思っていましたがツームストンからのレインメーカーで見事な勝利を納めたオカダ。
自分はオカダ推しでは無いので、勝ったこと自体はそれ程でも無いですが、やはり強い人が強く無いとプロレス全体が面白くないと言う意味で、オカダの復活はもちろん喜ばしいことです。
ただ今回の復活劇ではいくつか気になる点がありました。
膝がかなりキツそう
「棚橋の膝攻めが強烈だから」と言うのはそうかもしれませんが、序盤のお互いのヘッドロック等のクラシカルなプロレスから一転してドラゴンスクリューを決めた時に、かなり痛そうで、オカダはいきなり動きが止まってしまいました。
今回のコスチュームの膝上のゴールドの部分。「デザイン的にそうした」と言えなくもないですが、やはりあの下にがっちりテーピングを仕込ませているのでしょう。試合後も時折足を引きずっていたのは、もちろん試合のダメージもあるでしょうけど、それだけ膝が悪いと言えるのかもしれません。
なぜテキサス・クローバー・ホールドを狙わなかったのか?
一瞬、テキサスクローバーを狙う場面もありましたがすぐに回避するオカダ。棚橋的にはそれで悟ったのかもしれません。
それに初回のドラゴンスクリューを放ったのは右足。そのあとロープに振ると見せかけての低空ドロップキックは左足へ。右足に集中していればダメージは強く残っていたでしょうし、テキサスクローバーも厳しく決まっていたことでしょう。それでもロープ越しのドラゴンスクリューは左足に行っていましたので、単に左右両方の足を狙っていただけかもしれませんが気になるところではありました。
また、フィニッシュをテキサスクローバーではなくハイフライフローにこだわったのは、棚橋の完全復活をアピールするための、棚橋の気持ち的な部分が大きいだけだったのかもしれませんが、それだけでは無いようにも感じました。
バックステージの棚橋のコメントは「悔しい」と言葉では言いながら、過去の対戦で負けた時の悔しさのそれでは無く、むしろ「寂しい」と言っているように聞こえました。
「俺たち新日本プロレスには、もっと!先があるだろう!」の”俺たち”とは棚橋とオカダのことであり、お互い満身創痍ながらももっとやれることがある、と自分たちを奮い立たせようとしているように思えました。
声がかすれ気味
鷹木は喉を攻められていたので仕方ないですが、同じようにコロナに感染したタイチやデスペラードは声がかすれる感じは無かったにも関わらず、オカダは試合終了後のマイクアピール、バックステージコメントも声がかすれていました。かつては激闘を繰り広げて呼吸が荒くなることはあっても、あんな感じでかすれて声が裏返るようなことは無かったので、まだコロナの影響があるのかなぁと感じます。
もちろん、そうした体調の変化はご本人が一番よく分かっていると思いますが、G1と言う長丁場の激闘を完走するのは厳しいのかもしれません。
棚橋相手に劇的な復活劇を遂げたオカダ。しかしそれは他の選手がG1で繰り広げている「進化」と言う形ではなく「懐古」に近いもののように感じました。
次節メインのEVIL戦。EVILは忖度なしの無慈悲なヒールとしての戦いを見せてくるでしょう。膝に影響があるスコーピオン・デスロックも脅威と言えます。
ここでオカダがどんな戦いを見せるかによって、今後のG1の行方が決まると言っても過言では無いでしょう。どこまでオカダが戦い抜くのかに注目ですね。