先日、高橋ヒロムvsデスペラードのBest of Super Jr.のシングルマッチが新日本プロレスワールドで無料公開されましたね。

この2人がなぜ、これ程までに激突するのか(特にヒロムが)?
デスペラードがなぜ逆エビ固めを使ったのか?
そこに触れていきたいと思います。
同期の2人(ヤングライオン時代)
デスペラードの中の人(以降はそのままデスペラードと書きます)とヒロムは同じ日に入門した同期と言うことはあまり知られていないと思います。先にデビューしたデスペラードが胸を貸す形で、ヒロムのデビュー戦2010年8月24日に行われました。

結果は、ヤングライオン王道の逆エビ固めでデスペラードの勝ちでした。以降、何度もシングル戦を繰り広げますが、何と!デスペラードの17戦16勝1分け!(njpwphile調べ)
2012年2月にデスペラードが海外武者修行に出るまでの約1年半の間、タッグで組むこともありましたが、シングル戦でのほとんどが逆エビ固めでの勝利。
(2010年にデスペラードが顎の骨を折って長期欠場しているので、実質は1年程度)
引き分けになったのが、2011年6.7の試合。ヒロムが逆エビ固めを30秒以上耐えての引き分け。

その時のデスペラードのコメントです。
「とれなかった…ギブアップとれなかった。考えなきゃ。俺たちは、アイツが伸びてきたとか言う立場じゃ無いけど。前は差があったんだ…クソが!」
出典:新日本プロレス公式サイト
高橋ヒロムを落とせなかったとして、デスペラードはその後しばらく逆エビ固めでは無く、他の技を使用するようになりました。
そしてなぜ、ヒロムは耐えられたのか?その真相はもちろん分かりません。BOSJに参加できなかった悔しさもあったかもしれませんが、もしかしたらこの試合の前(5.29)に行われたデスペラードvs Evilの中の人のデビュー戦でのコメントで火が付いたのかもしれません。
「高橋(広夢)はボクの後輩とかみんな思ってますけど、同じ日に入門した同期です。一人目の後輩は渡辺です。その後輩に負けるわけにはいかない。オレだってレベルアップしなきゃいけないんだ!」
出典:新日本プロレス公式サイト
凱旋帰国後の2人
2012年6月、BOSJ緊急参戦後にヒロムはイギリスに海外遠征。2014年1月にデスペラードが凱旋帰国したが、同1月にヒロムはCMLLへ。
結局ヒロムが日本に戻ってくるのは2016年12月のロスインゴ入りの時。2017年はBOSJも別ブロックに入っていたため、二人は直接対峙することなく、ようやく対決するのは8.2に行われた普通の6人タッグマッチ。

ヒロムは特にコメントありませんでしたが、デスペラードはインタビューの最後に「ヒロム、はじめまして…」とコメントしています。
この後、2017年は対戦ありませんでした。(njpwphile調べ)
遂に激突!
2018年になり、遂に両者は激突することになりました。
3.6 IWGPジュニアヘビー級選手権試合(3way)
まずは3.6、3wayで行われたIWGPジュニアヘビー選手権試合。

金丸・デスペラード組が勝利。デスペラードはヒロムが「金魚のフン」と言ったことを引き合いにし、ヒロムとの因縁が深まります。
4.14 イリミネーションマッチ
その後、ロスインゴ勢と鈴木軍の対決姿勢が強まり、4.14 両軍対決となるイリミネーションマッチが行われます。

この豪華なメンバーによるイリミネーションマッチの結末は、何と!最後に残ったヒロムとデスペラードの一騎打ちとなり、最後は金丸のウィスキーミストからのエル・エス・クレロ(丸め込み)でデスペラードの勝利!ヒロムは凱旋帰国後に、デスペラードから初めてピンフォールを奪われる形となりました。
これでますます因縁が深まることになります。
4.23 IWGPジュニアヘビー級選手権試合
前回は3wayでしたが、今回は直接対決となります。

ここでも結果は、金丸・デスペラード組の勝利。デスペラードがピンチェ・ロコでヒロムからピンフォールを奪います。
5.20 BOSJ公式戦前哨戦
タッグ戦線では、いったん退く形となったヒロムでしたが、この年に遂にBOSJで両者が正真正銘の一騎討ちをすることになりました。
ここでもデスペラードが金的からのエル・エス・クレロで3カウントを奪取。ヒロムは依然としてデスペラードから勝てないだけでなく、タッグマッチでもピンフォールを奪われ続けています。
この試合後のデスペラードのコメント↓
「ヒロム、何度目だ?何回、俺に負けた?だからか?何度も何度も負けてるから、「何か懐かしい」っつってんのか?おまえが感じる懐かしさっていうのは何だ?あぁ、頭痛え。おまえの持っている懐かしさってヤツの正体。答え合わせできるといいな。明後日だな。楽しみ楽しみ」
新日本プロレス公式サイト
そして、遂に5.22 BOSJ公式戦で、お互いの凱旋帰国後、初めての公式戦シングルマッチを迎えます。
このブログを読んでいる大多数の人が既にこの試合を見ているとは思いますが、ぜひここまでの流れを踏まえてご覧頂ければ、より試合を見る熱量が高まると思います。
デビュー戦後のコメント
部活に入った時や社会人になった時の同期と言うのは、善かれ悪しかれ、ある種の特別な想いがあるものと思います。新日本プロレスのヤングライオンは特に厳しい環境にあると思いますので、夜な夜な将来や夢を語り合うこともあったのかもしれません。
デスペラードがヒロムとのデビュー戦後にこんなコメントを残していましたので、ご紹介して終わりにしようと思います。
やっと1つ新日のリングで勝てました。(中略)アイツは自分と入門が同じ日なんです。俺の方が先にデビューしてアイツは相当溜まっているものがあったと思うんですけど、そこで溜まってた分より俺がリングにあげさせてもらって勉強してることの方が重いってことですよ。これからです。ありがとうございました。
出典:新日本プロレス公式サイト