NEVER戦、ジェイが凄かった

個人的な感情を言えば、棚橋に勝って欲しかったし、タイトルマッチでの介入はあってはならないと考える派ですが、今回の試合で言えばジェイの凄さに脱帽をせざるを得ない。試合として成立しない可能性があったにも関わらず自身がヒートを買う状態で見事に試合を締めることができたのは、外道の力もあったかもしれないが、その才能を認めざるを得ない。

ガス欠となったエース

今回はベルトを巻いての入場。今まで巻かずに入場していたことを考えると、いつにも増して気合いが入っていることが分かる。それだけでなく、場外へのハイフライアタックを見せる等、ジェイ・ホワイトを倒そうとする意気込みは十分。お互いが足攻めを見せ次第に膠着状態に陥っていく。

お互いの足攻めが極限を迎え、棚橋がこれ以上足を攻められまいとグラウンドの攻防に移っていく。これはこれで今までにない面白い展開ではあったが、お互いが離れたあとに突然に訪れた棚橋の不調。

完全に動けない。

コーナーポストの下でうずくまる棚橋。

「Tana!, Never Give Up!」と棚橋を鼓舞するジェイ・ホワイト。あのままコーナーから引き摺り出して、TTOをかけたらすぐにギブアップとなってしまったであろう棚橋の疲労困憊状態に対して、ジェイは時間を稼ぐ。残念ながら、どちらがチャンピオンでどちらがチャレンジャーなのか分からなくなってしまった。

見せ場を作るジェイ

棚橋が復活し何とか戦える状態となると、棚橋の技を受け始める。もういつでも仕留められると言う気持ちもあったことでしょう。棚橋が逆転をしそうなところまで演出をし始める。

ただ、ジェイ・ホワイトも誤算があったのが、ハイフライフローの正調式2連発でトドメを刺しに来るかと思いきや、2発目は膝に落としていく、それまでのスリングブレイド等はのらりくらりと受けていたが、膝へのハイフライフローを食らった時の痛がり様はそれまでのものとは違った。

そして、テキサスクローバーホールド。こう言う流れで来るのは素人でも分かる。サードロープに手が届かずリング真ん中に引きずられる。ただ、この時既に外道の様子はジェイ・ホワイトから見えていたでしょう。カメラでは分からなかったけど、アイコンタクトくらいは出来ていたと思う。サードロープに手が届かないフリをして、引きずられる。リング中央でテキサスクローバーホールドを決められつつ、外道が入ってきたのを見届けてタップする。

セコンド介入での勝利で、ヒートを買う事になる。

ここまで読み切っての試合運びと勝利には完全脱帽。

既にジェイは棚橋を超えていた

まだまだ棚橋には頑張ってもらいたいと思ってはいるが、もうジェイが棚橋を超えていると感じたのは次のシーン。

ハイフライフローで来た棚橋をキャッチして、ブレードランナーを仕掛ける。それをドラゴンスープレックスで切り替えそうとしたところを足を捕まえてからのTTO。流れるような技の流れが素晴らしかった。棚橋はただ翻弄されるだけ。

後半の棚橋の畳み掛けも、ジェイは避けようと思えばいつでも避けられたであろう。一つの時代の終わりを感じてしまいました。

ライガーが怒っていたのは?

素直に「介入ダメ」と怒っていたのかもしれないけど、あの状態でお客さんに拍手をされてしまっては、ヒールがヒートを買うことが演出に見えてしまう、プロレスが壊れてしまう、と言う危機感で怒ったのでは無いか?と勘繰ってしまいます。元レスラーが現地で見ていて棚橋の不調を感じて取れない訳はないでしょう。

そもそも福岡大会にはジェイファンが多く集合したから、素直にジェイに対する応援がされたと言うだけのことかもしれないし、ブーイングができないから拍手せざるを得なかったのかもしれないけど、あの試合の流れで拍手で終わると言うのは、ちょっと不自然な気もする。

ジェイがマイクで「お前らの拍手は侮辱だ」と言ったのも、ヒートを買うはずのヒールレスラーが拍手されてしまったことに対する反発だったのでしょう。

もう一つの誤算は?

仮にもう一つ挙げるとするのであれば、敢えて食らったテキサスクローバーホールドが意外に効いていたのでしょう。唐突な形のブレードランナーで終わったのは、その技の切れ味やいつどこからでも入れる怖さを印象づけるためだったのかもしれないけど、これ以上続けると本当に負けてしまうと言う思いから、パッと切り上げた感がありました。試合後の両足のアイシングを必死に行うジェイの様子から、膝攻めは有効だったんだと思い知らされます。

セコンド介入の是非は?

自分は今でもタイトルマッチにおけるセコンド介入には反対ですが、今回の試合を見る限り、「棚橋が無様に負けた」と言う形にならず「惜しいところまで行ったのに、介入されたから負けた」となった方が、その後のプロレスの盛り上がり等を考えると、やはり有りなのかなぁと思い始めています。

そしてバチバチの試合ができる選手たちが、徐々にいなくなって来ていると言う現実に恐れ始めています。

そうした状況を隠しつつ、選手生命を延ばすために、今後も同様な介入が繰り返されることは時代の必然なんじゃないかと思うと同時にバチバチの試合に耐えうる若い選手たちの台頭が必要なんじゃないかと思っています。

あ〜、なんか熱い試合だったはずなのに、こう言う冷静に考えてしまうところが良く無い。

今日のセミとメインはこう言うことは無く、バチバチの試合展開となるでしょう。まずは楽しみましょう!

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